星月夜の日常
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「しまったァ、今日ジャンプの発売日じゃねーか」
銀時はすごい顔で言った
いつものようにスクーターに3人乗り
スーパー帰り
『え?来週3連休?じゃあバイト先も混みそうだなー』
「そーだよ3連休だよ、だから今週土曜日発売日だよ忘れてたよ。引き返すか」
「もういいでしょ、スキヤキの材料は買ったんだから」
「まァこれもジャンプ卒業するいい機会かもしれねェ…。いい歳こいて少年ジャンプってお前…いやでも男は死ぬまで少年だしな……」
『もうどっちでもいいよ、せっかく買ったアイス溶けちゃう…』
「スンマセン、恥ずかしい葛藤は心の中でしてください」
引き返すのか引き返さないのか
迷いながら走っている万事屋。
そんな彼らの目の前に1人の女の子が飛び出してきた
「あぶね!!」
キィィィイ
ドン!!
スクーターに急ブレーキをかけハンドルを横にする
しかしそれは時すでに遅し。ぶつかってしまった
第3訓 ジャンプは時々土曜日にでるから気をつけろ
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ひいちゃったよちょっとォォォ!!どーすんスかあんた 余所見してるから…」
新八は焦りながらもツッコミの仕事を忘れない
杏子は少女に駆け寄ろうとする
『大丈夫っ!?』
「新八騒ぐんじゃねーよ、とりあえず落ち着いてタイムマシンを探せ」
ゴミ箱に頭を突っ込む銀時
「アンタが落ち着けェェェエ!!」
『銀ちゃん落ち着いて!のび太くんがそこにいるから先にドラ◯もん探そう…』
杏子は新八をみてから周りをキョロキョロする
「杏子さんも落ち着けェェェエ!のび太くんくんて僕か!?僕のことを言っているのか!?」
「だ…大丈夫だよおめーよォ、お目覚め占いの星座占いじゃ週末の俺の運勢は最高だった」
『私の占いはビリだったけど……』
杏子は少女を仰向けにしようとした
「きっと奇跡的に無傷に違いねェ」
銀時はそう言うが銀時の方を向いた杏子の顔はものすごく心配な困ったような顔をしていた
『…………銀ちゃん……」
銀時も少女を覗き込んで見ると血がどろっと流れていた
急いでスクーターに乗る銀時、その後ろに杏子、その後ろに新八、そして新八の体に縄で巻いた先ほどの少女
まさかの4人乗りだが気にしないでいただきたい
そしてスクーターを走らせる
「お目覚めテレビぃぃぃぃぃぃ!!
てめっlもう2度と見ねーからなチクショー!いやでもお天気お姉さん可愛いんだよな、いや別に杏子の方が可愛いけどな!!!」
『新八くん、どう?様子は』
「びくりともしないですよ、早く医者連れて行かなきゃ」
その言葉に焦る銀時と杏子。
後ろから車がスクーターに近づいてきた
車の窓が開けられる、男は銃をこちらに向けてきた
「ちょっ……何ィィィ!?」
パンッパンッパン
銃がこちらに向けて放たれる
新八は目をつむる……
しかし弾はどこにも当たらなかった
目を開けると先ほどの少女が傘を広げて銃を弾いたようだ。彼女はもう一度傘を閉じると、次は傘から弾を出し車を狙った
ドドドドド
銃のように弾が放たれて車は潰れた
彼女は煙の出ている傘の先をフッ吐息をかけた
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「お前ら馬鹿デスか?私…スクーターはねられた位じゃ死なないヨ。これ奴らに撃たれた傷アル、もう塞がったネ」
少女はそう言うと傷口を見せた
杏子はそれをまじまじと眺める
『わー、凄いね。痛くないの?』
「大丈夫アルヨ、すぐ治るアル」
「お前ご飯にボンドでもかけて食べてんの?まァいいや。大丈夫そうだから俺ら行くわ、お大事に〜」
銀時は杏子にヘルメットを被せスクーターに乗せた
エンジンを切って走り出そうとする、が、進まない
「ヤクザに追われてる少女見捨てる大人見たことないネ」
「ああ俺の心は少年だからさァ
それに原チャリ片手で止める奴を少女とは呼ばん。マウンテンゴリラと呼ぶ」
少女はまだスクーターを掴んでいる
銀時がフと横を見ると先ほどのヤクザと目が合った
「おっいたぞォォこっちだァァ!!」
ヤクザが追いかけてくる
「ちょっなんなの!?あいつら!ロリコンヤクザ?」
「何?ポリゴン??私…江戸に来たらマネーつかめる聞いて遠い星からはるばる出稼ぎきたヨ。私んちめっさビンボー、三色ふりかけご飯。せめて三色卵かけご飯食べたいアル」
「いやあんま変わんないんじゃ」
「そんな時奴ら誘われた。“うちで働けば三色鮭茶漬け食べれる”私それ聞いて飛びついたネ」
「なんでだよせめて三色バラバラのもの食べようよ」
「私地球人に比べて頑丈。奴らの喧嘩引き受けて鮭茶漬け毎日幸せだヨ。でも最近仕事内容エスカレータ」
「いやエスカレートね」
4人はゴミの集まってるところに隠れる
「人のキンタマまでとってこい言われたアル」
「いやキンタマじゃなくて命(タマ)ね、命」
「私もう嫌だヨ江戸とても怖い所。故郷帰りたい」
杏子は無言で少女の話を聞いていた
「バカだなオメーこの国じゃよォ、パンチパーマの奴と赤い服を着た女の言うことは信じちゃダメよ。まァてめーで入りこんだ世界だ、てめーでおとし前つけるこったな」
「オイちょっと」
『銀ちゃん……」
そう言うと銀時は行ってしまった
その遠のいて行く後ろ姿を新八と杏子は見つめていた
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『この辺でいいんじゃない?』
「そうですね、なんとかここまで来れた。
周囲にパンチパーマに影はない?」
「ないネ、大丈夫ヨ」
周囲を確認するとゴミ箱から3人視線だけを出す
なんとか隠れてゴミ箱に入って駅まで来たのだ
「ここから電車に乗ればターミナルまですぐだ、故郷に帰れるよ。それにしてもアイツ…本当に帰るなんて……薄情な奴だ」
新八は銀時を思い出す
杏子はその話を無言で聞いていた、そして少女に銀時のことを謝った
「気にしないネ。江戸の人皆そうアル。人に無関心、それ 利口な生き方。お前らのよーなおせっかいの方が馬鹿ネ。でも私、そんな馬鹿の方が好きヨ、新八(おまえ)は嫌いだけどな」
最後の文だけボソっと言った少女
「アレ?今標準語で辛辣な言葉が聞こえたよーな」
「私メガネ嫌いなんだよね。
でもお姉さんのことは大好きヨ、優しい 可愛い 天使アル」
そう言うと少し頬を染めた少女
杏子は優しく少女に微笑んでお礼を言った
「アレ?ナニコレ、胸が痛いんですけど…んだよもォ!やってらんねーよここまで来たのに!」
新八は不貞腐れている
少女は電車の方へ行こうとゴミ箱から出ようとする
「!……アレ?」
少女の動きが止まる
「どーしたの?」
「ぬ……抜けないアル」
『え?アリ??』
「ウソっ!僕まで…ウソッ!ヤベッ…泣きそうっ」
3人でゴミ箱へ1つのゴミ箱へ入っていたもんだからピッタリハマってしまったようだった
このままでは抜けない
しかし時間は止まらない。電車の出る鐘がなる
「ヤバイ!電車もう出る!!もういい転がれ!!」
ゴミ箱を横に倒しくるくる回って電車に入ろうとする
しかしそれは誰かの足によって止められた
「オイオイダメだよ〜駆け込み乗車は危ないよ。残念だったな神楽ぁもうちょっとで逃げれたのに」
「井上……!!」
先ほどの少女…神楽を追いかけていたヤクザたちだった
「何も言わずに逃げちゃうなんて連れないねェ。金に困ってたんじゃなかったの?ふりかけご飯の生活に逆戻りだよ?」
「人傷つけてお金貰うのもう御免ヨ。何食べても美味しくないアル。いい汗かいて働く、ふりかけご飯も美味しくなるネ」
「戦うしか能のない蛮族がよく言うじゃないか。ええ夜兎さんよ」
『…夜兎族……』
杏子は小さな声で呟くと息を飲んで少し下を俯く
新八は訳のわからない顔をしている
「夜兎族?」
「おやおや何も知らずにこいつに協力してたのかいおたく。最強最悪の傭兵部族「夜兎」。
姿形は人間と大差ないが驚異的な戦闘力を誇り、数多の星を潰してきたただの戦だけを嗜好する戦闘民族よ。神楽は隠していたようだがその透けるような肌と傘が何よりの証拠。奴らは日の光を嫌い常に日傘を離さないというからな。
薄っぺらい道義心で本能を拒絶したところで戦うお前は楽しそうだったぞ。お前の本能は地を求めてるんだよ神楽」
「違うネ!!私は……!」
神楽が言いかけた途端ヤクザは杏子たちが入ったゴミ箱を蹴飛ばし、ゴミ箱は電車の線路に落ちる
「戦えないお前に価値はない。サヨナラ」
「ちょっ!ちょっと待って!!おいィィィ!駅員さん!!」
新八は焦る。すると前から電車の走る音が聞こえる。どんどん電車は近づいてくる
「ウソぉぉぉ!漫画みたいなタイミングだ!ちょっ助けてェ!!」
『うわぁ!誰かあー!!』
叫んだ瞬間電車の隣を走るスクーターが見えた
『銀ちゃん……!』
「ったく手間かけさせんじゃねーよ!」
「銀さん!!」
銀時は木刀を大きく振り上げる
「歯ァくいしばれっ!!」
「え!?ちょっ……待ってェ!!!」
杏子は歯を食いしばり目を瞑る。神楽は真顔。新八は汗ダラダラで叫んでいる
「ぎぃやぁぁぁああああああ!!」
ドガシャンッッ
ゴミ箱が割れた
ヤクザたちが振り返る
「なっ…なんだァ!!何が起きたァ!?」
杏子は服を払っていて新八は倒れてピクピクなってる
神楽はヤクザの元へ行く。
「私 戦うの好き。それ夜兎の本能…否定しないアル。でも私 これからはその夜兎の血と戦いたいネ。変わるために戦うアル」
「このボケがァ!!野郎どもやっちまいな!!」
…
「アレ?」
ヤクザはそう言うが仲間はすでに逃げていた
「あっっ……お前らそれでもパンチ……」
ヤクザが言いかけた途端思いっきり蹴りを入れた
「パーマぁぁぁぁっぁ!!」
静かな駅にぞりぞりという音が響く
神楽がヤクザのパンチパーマを剃っている音だ
「助けにくるならハナから付いてくればいいのに」
「訳のわからない奴ネ…シャイボーイか?」
新八と神楽にぐちぐち言われる銀時
そんなの気にしないって感じで杏子の膝を枕にジャンプを読んでいる
「いや、杏子が心配に決まってんだろ。お前らはアレだよ、ジャンプ買いに行くついでに気になっただけ。死ななくてよかったね〜」
「僕らの命は220円にも及ばないんですか」
『結局ジャンプは卒業できなかったんだね』
「おっ電車きたぜ。早く行けそして2度と戻ってくるな災厄娘」
『神楽ちゃん気を付けてね』
「ありがとうお姉さん、帰りたいのはやまやまアルが、よくよく考えたら故郷に帰るためのお金持ってないネ。だからも少し地球残って金ためたいアル。ということでお前の所でバイトさせてくれアル」
神楽が真顔で言った。銀時はジャンプを真っ二つに破り寝ていた頭を上げすごい顔をする。新八も同様だった。
「お姉さんとももっと一緒にいたいアル〜」
神楽はそういうと杏子に抱きつきに行く
杏子はにっこりと笑うと神楽を抱きしめ返した
「じょっ…冗談じゃねーよ!!なんでお前みたいなバイオレンスな小娘を…」
銀時が言いかけたとき、ドゴッという音が聞こえた。神楽が壁を殴った音だった。壁にはすごくヒビが入ってしまった
「なんか言ったアルか?」
「「言ってません」」
こうして万事屋はまた賑やかなものになるのだった