星月夜の日常
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おっやじィィ!勘定頼む」
飲み歩く夜
少し早めに帰ることにした
いつもよりも綺麗な満月
月を見ると思い出す
心底惚れた女のことを
「…杏子……」
酔っ払ってるせいかいつもよりも深く彼女のことを思い出しちまう。何度忘れようとしたかわかんねェ。でも忘れられなかった。
フラフラしながら万事屋に戻ろうとする
すると川の向こう側に月を眺めている人影が見えた
「…杏子……?」
その姿はずっと好きだった杏子に見えた
目をこすりもう一度見る
笠をかぶっているせいか顔が見えない
ただ、なんか懐かしい感じがしたのだ
気が付いたらその人影を追いかけていた
川の向こう側に行くがその姿はもうない
くそッッどこいった
走り回って探す
どこだどこだどこだどこだ
人が賑わうところを探す
笠を被っている女が見えた
「杏子ッッ!!」
手を掴むとその女はこっちを振り向いた
でもそれはまったく知らない女だった
「何お兄さん、ナンパァ〜?」
人違いだった
そうだよな、杏子がココにいるわけねェ、ちっと飲み過ぎたな
頭を掻きながらとぼとぼ歩く
「銀時!あんたにお客さんだよ」
ババアがいい調子で俺を呼ぶ
俺ァそんな気分じゃねェんだよババア
仕事の依頼か?だりィなァおい
銀時はそんなことを考えながらドアを開く
ガラガラ____________
そこにはカウンターに座っている笠を被った女がいた
目を見開いた
「……杏子………?」
名前を呼ぶと女は顔をあげた
笠で隠れていた顔がはっきり見えるようになる
その顔はどこか幼い面影を残した杏子だった
『銀ちゃッッ…』
杏子が銀時の名前を言い終わる前に銀時は杏子を抱きしめていた、強く
「生きてて…よかった……」
「お前銀さんどんだけ心配したと思ってんだよ」
ポツリと呟いた後にそう付け加えた
『ふふ、ごめんね銀ちゃん…!ッッそれより苦しいよ』
そういうととびっきりの笑顔を銀時に見せる杏子。その笑顔に銀時の顔は真っ赤になるのだった
「まったく、こんなべっぴんさんその辺に放置しとかないでくれよ」
お登勢はそう言うと煙草を咥える
「当たりめェだろババア!」
銀時は顔を赤くしながら言い放った
「杏子、いくとこあんのか?」
ふと気になり杏子に質問する銀時
『ううん、実はないの。あのね、銀ちゃんにものっそいお願いがあるんだけど、一緒に住ませてくれないかな…?ちゃんと働くし家事もするから!』
顔の前に両手を合わせている杏子
え?こんなことある?なにこれご褒美かなんかですかコノヤロー
「いいに決まってんだろ!」
『ありがとう銀ちゃん!!』
声は普通だが顔はニヤケるのをやめられない銀時だった