赤月の雫
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目の前には松陽が縛られて座っている
あの時と同じ
松陽先生を護れなかったときと
でも1つだけ違うことがあった
縛られてるのはヅラと晋助、そして私
銀ちゃんはすぐそこに立っていた
『銀ちゃん……!』
“私たちを斬るか先生を斬るか”
そんな選択をさせて ごめんね
「…めろ……やめろ銀時ィィィイッッ!!!」
私が叫んですぐ晋助が叫ぶ
銀ちゃんはゆっくり先生に近づいてから刀を上にあげた
先生がこっちを振り向く
ありがとう
そう言ったような気がした
その瞬間先生の首は宙を舞った
自分の見ているものが本当なのかさっぱりわからない
「銀時ィィィィイッッ!!!」
晋助の声でフと我に帰る
晋助は左目から血を流していた
晋助に何が起こったのかわからない、でも今はそんなこと考えてられなかった
私は無言で先生のところに走る
『…先生……?』
呼んでも返事は返って来ない
先生の顔はなんだか微笑んでるようにも見える
『…先生…先生先生先生先生ッッ…!!!』
返事してくださいよ…
気づいたら自分でも顔がぐちゃぐちゃだとわかるくらい泣いていた
銀ちゃんは何も言わないで立ってる
「…帰ろう」
ヅラがぽつりと呟いた
それでも先生の側から離れたくない
動かない私をヅラは軽く抱きしめながら先生から離した
『やだ…、離してよ、先生のとこにいたいよ』
私の発言にヅラは肩を抱く力が強くなった
ヅラの顔をみる
涙で視界が悪かったけどヅラの顔がはっきり見えた
その顔に私はさらにこれが現実なのだと実感する
もう泣かなかった
泣けなかった
『ごめんね、ヅラ』
そう言うと肩からヅラの手を外し帰ることにした
銀ちゃんがさっきの位置から動かずにいるのが見えたけど、銀ちゃんの顔は見れなかった
寝る前月を見に行こといつものとこに向かう
そこには銀ちゃんがいた
一人にしたほうがいいって思った
だけど一人にはできなくてやっぱ銀ちゃんのとこに行って隣に座る
銀ちゃんの頭が私の肩に寄りかかる
俯いてて顔が見えない
お互い何も言わなかった
それから何分も経った
銀ちゃんは寝てるのか起きてるのかわからない
でも伝えなきゃと思ってた
「…私、出て行くね」
銀ちゃんから返事はなかったけどきっと伝わった
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“出て行く”
そう言った時本当は止めたかった
松陽を失って杏子まで失うなんて無理だ
でも俺ァ誰一人護れなかったんだから、止める資格なんてねェ
寝ている杏子を抱えて部屋に寝かせる
最後の寝顔
このまま壊してしまおうかと思った
杏子の全てを奪ってこの関係も壊そうかと
でもできねェ
「護れなくてごめんな…」
そういうと杏子のおでこにキスを落とすと部屋を出て行った
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いつに間に寝て居たのだろう
銀ちゃんが運んでくれたんだろうか
もうすぐ朝が来る
私は朝が来ると同時にここを出て行くと決めている
先生を助けれなかった今目的はなくなった
探さなくちゃいけない、私が生きる目的
『…銀ちゃん、ヅラ、晋助…ばいばい』
そう呟くと私はここから出て行った