青峰｢バイキングって聞いてたからどんなもんかと思ってたけど、なかなかいけるな｣

火神｢ああ、そうだな｣

小夜｢……｣

青峰｢どうしたんだよ？いらねぇなら食っちまうぞ｣

小夜｢よく考えたらもう丸一日大我くんの作ったご飯食べてないんだって思ったら震えてきた｣

青峰｢禁断症状かよ！｣



＊＊＊



火神｢それじゃあ、行くか｣

青峰｢あー…めんどくせー｣

小夜｢え、なに？二人してどこか行くの？私も──｣

火神｢ランニングだけど？｣

小夜｢いってらっしゃい！｣

青峰｢ちょっとは悩めよ｣

小夜｢おなかいっぱいだし、動きたくない！｣

青峰｢すぐ寝転がってたら牛になんぞ｣

小夜｢今日はたくさん歩いたから大丈夫ー｣



＊＊＊



火神｢寝てるな…｣

青峰｢あぁ、完全に爆睡してやがる｣

小夜｢zZ｣

青峰｢おい、起きろ。温泉入りに行くぞ｣

小夜｢zZ｣

火神｢おーい、朝飯できたぞー｣

小夜｢え!?もうそんな時間!?｣

火神｢嘘｣

小夜｢びっくりしたー！｣

青峰｢びっくりしたのはお前の火神の料理に対する執着心だよ｣



＊＊＊



青峰｢なー、お前どうせ長風呂なんだし、オレたち上がったらどっかで時間潰してても──｣

小夜｢だめ…！｣

青峰｢あ？なんでだよ｣

小夜｢迷子になる！｣

青峰｢どこで｣

小夜｢旅館の中で！｣

青峰｢地図見ろよ｣

小夜｢現在地がわかんない！｣

青峰｢マジ時々お前の年齢疑うわ｣



＊＊＊



小夜｢頑張って早く出てくるから、お願い、ここで待ってて！｣

青峰｢えー…｣

小夜｢ほら、館内うろうろして、ナンパとかされたりしたら困るじゃん！｣

青峰・火神｢それはないな｣

小夜｢ちょ、即答はひどい…！｣

火神｢いや…さっきから家族連れとか、じいちゃんばあちゃんばっかだしよ｣

小夜｢……｣

火神｢…ごめん｣



＊＊＊



小夜｢大輝は絶対そんな理由で言ったんじゃないよね？｣

青峰｢何言ってんだよ。火神と一緒の理由に決まってんだろ｣

小夜｢ひどい棒読みだな！｣

青峰｢本当のことを言わないのも優しさだろ？｣

小夜｢今度はものすっごいいい笑顔…！腹立つ！｣

火神｢あー…オレ先入ってるわ｣