その光の傍らで
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いつになく真剣な眼差しに、瞳を逸らせない。
少し困った表情をした私が、火神くんの瞳に映り込む。
「メイドって……ご主人様の言うことは何でも聞くんだよな?」
「う、うん。そうだよ?」
な、何を言われるんだろうか。
めちゃくちゃ無理難題言われたら、さすがに断ってやろうかしら。
そんなことを考えていれば、火神くんは腰を屈めて、私の耳元で囁いた。
いつもよりも低くて、艶めいた声。
こんな火神くんを私は知らない。
「じゃあ、キスしてもいいか?」
なんだ。
そんなこと。
わざわざ確認しなくたって、答えは最初から決まっているのに。
私は小さく笑ってから、気取った口調で言った。
「ご主人様の、お気に召すままに──」
そしてゆっくりと瞼を閉じる。
自分の心臓の音と、触れている部分から伝わってくる火神くんの鼓動。
私の鼓動はいつもより臍分早いはずなのに、火神くんのものとシンクロして。
ただそれだけのことで、どうしようもなく嬉しくなる。
火神くんのことが、こんなにも好きなんだって実感する。
私の唇に柔らかいものが触れるまで、あと3秒。
どうやら私の出した答えは
間違っていなかったようで
彼は“おまけ”を随分と
喜んでくれたようだった
そんな大好きな君に
何度だって伝えよう
生まれてきてくれてありがとう、と──
《終》