私の“はじめて”の
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「大丈夫か?顔色が優れないようだが…」
考えがまとまらないうちに、上から声が降ってきた。
弾かれるように見上げれば、ようやく翡翠色の瞳と目が合った。
これで、二度目。
初めて彼を見たときと、そして、今。
「すいません。色々なことを一度に聞いたので、少し……疲れました」
「そうか」
「山姥切さんは、大丈夫……ですか?」
すぐに視線は外されてしまったけれど、それでも私のことは気遣ってくれているし、会話もしてくれるようだ。
彼は初期刀。
私にとって初めての、私だけの神様。
今はまだ少し遠い存在のように思えるけれど、少しずつでもその距離を縮めていきたい。
「俺のことはいい。あんたは自分のことだけを考えていろ」
冷たい物言いではあるけれど、不思議と突き放されているようには思えなくて。
彼もきっと、私との距離を測りかねているのだろう。
突然人の形を与えられ、もしかしたら私よりもよほど彼の方が今の状況に困惑し、疲弊しているのかも知れない。
それを私に直接伝えないだけで。
「では、少しだけ縁側で休憩をいただきます。何かあれば、すぐに呼んでください」
「わかった」
短い返答。
私はそれを確認してから、先ほどこんのすけに案内してもらった記憶を頼りに縁側へ向かった。
***
空にはすでに月が昇っている。
下弦の月と、無数の星。
あつらえられたような満天に私は感嘆する。
審神者就任一日目。
明日からはきっともっと忙しくなるのだろう。
それこそこうして星空を見上げる暇もないほどに。
いや、そうでなければいけない。
正しい歴史を守るため。
そのために私は審神者になったのだから。
明日になったら、こんのすけさんに確認して鍛刀と刀装作成をしよう。
山姥切さんも一人では寂しい……いや、戦力的に考えても一振りではだめだ。
練度を上げるためにも手合わせができる相手が必要だ。
私ではその役割を担うことはできない。
ああ、それから今眼前に広がる、この草が伸び放題の庭も何とかしなくては。
せっかくの美しい景観が台無しだ。
確かこんのすけさんは畑もあると言っていた。
万屋があるとはいえ、自給した方がよさそうだ。
料理をするのは得意ではないけれど、そうも言っていられない。
あとしなければならないことは──