束の間の夢と永遠の夢
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それを見たノクスはより一層嬉しそうに微笑む。
疲れた顔をしてはいるが、満足そうだった。
ノクスは眠い目を擦りながら、書斎の椅子から立ち上がる。
その足取りはひどく覚束ない。
「何するつもりッスか。ノクス、寝てないんだろ?しっかり睡眠取らないと」
「だめ。だって今から君の試合だもん。寝てなんていられないよ」
ノクスはふん、と力瘤を作ってみせるが、やはりどことなく頼りない。
ティーダが困って言葉を紡げずにいると、ノクスは自信たっぷりに唇の端をつり上げた。
悪戯な笑みが、これ以上ない程に似合っている。
「大丈夫、ティーダが活躍して試合をすぐに終わらせてくれたら、その後十分休めるんだから」
などと意味の分からない事を言って、ノクスはティーダの腕を取った。
書斎なんかで寝るものだから、体の芯まですっかり冷えてしまったのだろう。
ティーダに触れたノクスの指先は、氷のように冷たかった。
その指先に少しでも熱を分けてやりたくて、ティーダはノクスの体をぐいっと引き寄せた。
「じゃあノクス、行くッスよ。試合の途中で寝たりしたら、許さないからな」
君に腕を引かれて
ザナルカンドの街中を走り抜ける
この時の私
もう眠くなんて
なかったんだよ
だって、隣には
君がいるから──
《終》
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