束の間の夢と永遠の夢
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そもそも君に出逢えた事自体が、私にとっては“奇跡”なんだ。
それ以上なんて、きっと望んではいけない。
そんな事をしたら、きっと失うから。
それは、絶対に、嫌。
「側に居られないなら、こうやって触れられないなら、死んでいるのと同じだ!!」
そう言ってティーダは私の体をきつく抱き締める。
ブリッツで鍛え上げられた逞しい腕。
厚い胸板。
全部、全部、私にはないもの。
君が、少し羨ましい。
真っ直ぐに好意を向けられる事。
私には、もう出来ないから。
伝わる熱。
重なる心音。
溶ける吐息に、私は泣きたくなる。
私だって、本当は君の側から離れたくないに決まっているじゃないか。
でも。
ジェクトも助けたい。
これは、私の我儘なんだ。
私なら、或いは逆にシンを取り込めるかも知れない。
同じように創られた存在ならば。
悲しみを生み出すだけの存在同士であるなら。
私が、飲み込んでしまえばいい──
でも、その微かな希望を、可能性を、君には決して話せない。
だって、叶わなかった時、君に更に追い討ちをかける事になるから。
絶望を、嘆きを、贈る事になってしまうから。