束の間の夢と永遠の夢
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「ごめん。嘘でも、冗談でもないの。今話したのが、私が旅を始めようと思った最初の理由」
私がジェクトの代わりに“シン”になる───
私は知っていたんだ。
だって、私は彼等の旅に同行していたんだから。
ブラスカの計らいで、彼等と共にスピラを救った少女の存在が公になる事はなかった。
勿論人々の中には私の存在を覚えている人もいた。
でも、所詮は語られるだけの存在なのだ。
その少女が成長し、再び召喚士と共に旅をしているとは、夢にも思わないだろう。
でも、共に居たのに。
彼等の胸に秘めた思いも知っていたのに。
それなのに、私は彼等を、ジェクトを止められなかった──
ジェクトから聞いて、ティーダの事も多少は知っていた。
いつか叶うなら、会ってみたいとも思っていた。
まさか本当にその願いが形になるなんて、夢にも思っていなかったけれど。
もっと言うなれば、こんなにも君を好きになってしまうなんて、考えもしなかった──
だから私は今、どうしようもなく苦しい。
切ない。
痛い。
逃げ出したい。
一人で戦って、傷付いて。
誰にも気付かれぬまま、居なくなってしまった方がよほど楽だった。