束の間の夢と永遠の夢
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***
「……ーダ…ティーダ。ねぇ、ティーダってば、聞いてるの!?」
誰かが呼ぶ声が聞こえて、俺はぼんやりと意識を浮上させる。
ノエルの声だ──
ノエルが俺の名前を連呼するなんて、一体どうしたんだろう。
何かあったんだろうか。
ノエルとはまだ知り合ったばかりで、それほど親しくなったわけじゃない。
ただ俺が、ノエルがあまりにもノクスに似ているものだから、親近感を感じてしまっているだけだ。
ノエル自身が俺のことをどう思っているのかは、よく分からない。
俺のことを心配して気にかけてくれているし、何かと話しかけてくれるから、敵対心はないとは思う。
ただそれでもノエルはあまりにも掴み所がなかった。
ありきたりな表現だが、空に浮かぶ白い雲や風のようだった。
俺はゆっくりと瞼を持ち上げる。
次に目が覚めたら、ビサイドを離れなければならない。
ユウナと共に旅立つのだ。
そう考えると、目覚めることに対してあまり気乗りがしなかった。
ノエルは戦うと言っていた。
ユウナを守り、スピラを守り、そしてあの忌まわしきシンを“解放”するのだと。
彼女は恐ろしくはないのだろうか。
武器を振るうこと。
脅威に立ち向かうこと。
命を懸けること。
生きる世界が、時代が異なれば、人は変わるのだと、ノエルに出会って痛感した。
だってノクスは、凍てついた、目を背けたくなるような瞳はしていなかった。
「あー!やーっと起きた」
自分の瞳に映った声の主の姿に、俺はすっかり言葉をなくしてしまった。
自分の予想を覆す人物が目の前にいたからだ。