束の間の夢と永遠の夢
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私はぎゅっとシューインの服の袂を握り締めた。
腕はシューインに掴まれたまま。
このまま、離れてしまいたくなくて。
「…今のお前の行動……それがどういう意味か分かってるか?」
「分かってる……覚悟は、出来てる」
シューインと共にいくこと。
ユウナ達の元を離れること。
ヴェグナガンの、奏者となること。
スピラを滅びへ導く存在となること。
でも、私はシューインと共に在りたい。
「後悔、するなよ?」
「後悔なんてしない。私が決めたことだから」
「ノエル……」
シューインは私の身体をぎゅっと抱き締める。
私もそれに応じてシューインの背に腕を回す。
かつての終わりの始まりの場所で。
私の生まれたこのザナルカンドで。
また私は終わりへの一歩を踏み出す。
喩え誰を敵に回したとしても。
喩え世界に二人きりになったとしても。
私はこの道を歩み続ける。
間違っているのだと分かっている。
もっと他の道を選ぶのが最善の道なのだと。
分かってはいる、けど。
「最後まで一緒にいるよ?あなただけを一人にしたりしない……レンのように…──」
私は指先に力を込めた。
ほんの束の間でも、シューインが私だけのために笑ってくれるように。
レンのことを忘れさせてあげられるように。
私達はすぐにザナルカンドを後にした。
立ち止まってはいられない。
残された時間はきっと。
あまりにも少ないだろうから。
《終》