束の間の夢と永遠の夢
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「あ……」
「ん?」
「どうしよう…私もシューインが、好き……」
私が呟くとシューインは笑った。
馬鹿にしたような笑みじゃなく、優しく。
失礼だとは思うけど、やっぱりシューインには悲しげな顔、似合わないよ。
笑ってる方が、ずっとずっと良い。
「なんだよ、“どうしよう”って」
「だ…だって……こんなのって駄目、だよ。私はあなたを好きになっちゃいけない。あなたは私を好きになっちゃいけない」
だって。
“幸せになんて、なれない”
その言葉は何とか飲み込んだ。
怖くて言葉という、逃れられない形にはしたくなかった。
どうしても口にしたくなかった。
「そんなことないだろ。心がそう思うんなら、抑えつけなくちゃいけない理由なんてないだろ?」
「………」
「俺はノエルが好きだ。“今”はレンよりもずっと、ずっと。ノエルは?前に話してた……“ティーダ”だっけ?あいつの方が好き?」
私はやや間を開けてから首を振った。
ティーダは、好き。
でもそれ以上に、ううん、比べものにならないくらいにシューインが、好き。
「だったら、自分に嘘付く必要なんてないだろ……ずっと、一緒にはいられなくても。終わりが来る、その時まで」
シューインははっきりと“終わり”と口にした。
シューインは理解している。
そしてもちろん、私自身も分かっている。
たとえ私達の思いが通じ合ったとて、それはほんの刹那のものだ。
永遠などありはしない。
それはまるで束の間の夢のようなものだ。
それであったとしても。
私は手放したくはない。
ほんの一瞬でも。
シューインの側にいたい。