束の間の夢と永遠の夢
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「ドレスフィアに焼き付いたレンの思念が……私達に真実を見せてくれた。あなた達が守ろうとしたもの……」
それだけを告げて、私はついに堪えきれずに涙を零してしまった。
私は卑怯だ。
ここで、このタイミングで泣くなんて。
悲しい、のもある。
でも、それ以上に悔しかったんだ。
今、私が此処に生きていること。
何故千年前に生まれることが出来なかったのか。
何故シューインにあの優しい眼差しを向けてもらえたのがレンなのか。
どうして私ではなかったのか。
そして何より。
私は何故シューインと戦わなければならないのか。
戦いたくなんてないのに──
私は…私はシューインか好きなのに。
たとえ彼が幻影でしかなくても。
たとえ彼が私のことなど愛してくれなくても。
シューインは何を思ったのか、自分の親指の腹で私の涙を拭った。
「泣くな。お前に泣かれると……苦しくなる」
「そんなこと…言われたって……」
止められないものゎ止められないのだ。
「ノエル……」
囁くように。
吐息混じりの声で。
シューインは私の名を噛み締めるように、ゆっくりと口にした。
切なさと、愛しさの入り交じった声で。
私は涙を拭うこともせずに、シューインを見つめる。
「どうして……もっと早く生まれてこなかったんだろうな。いや……どうして俺はもっと遅くに生まれてこなかったんだろうな」
シューインの言葉に、私は自分の耳を疑った。
だって、その言葉の持つ意味は──
「どうしてお前を、こんなにも愛しいと思うんだろう。俺にはレンがいるっていうのにな。レンがいるからこそ、俺は今も消えることが出来ずにこんな世界に留まり続けているのに……」