束の間の夢と永遠の夢
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「……何かあったのか?」
私の異変に漸く気付いたのか、気遣うように落ち着いた声で尋ねてくる。
もう少し早く分かってくれても良かったのに。
「どうして?」
「そんな感じの暗ーい顔してる。何?もしかしてまた俺絡み?」
「……ま、そんなとこ」
誤魔化したって良かった。
嘘ついたって良かった。
でもどうしてか、それは出来なかった。
大きな青い瞳で覗き込まれたら、言葉を引き出されてしまう。
本当のことを。
そして逸らせなくなる。
見つめ合ったまま、視線を外せない。
私の腕を掴んだシューインの手に力が籠る。
そんなに聞きたいんだろうか。
私にとっても、シューインにとっても楽しいことじゃないのに。
どちらかといえば、二人とも、悲しくなる。
「話せよ。お前の…ノエルのそんな顔見たくない」
…優しい瞳で私を見ないでよ。
勘違い、してしまいそうになるから。
でも青い瞳は真っ直ぐに私を見つめている。
「ねぇ、ノエル…」
「……千年前のベベルのこと、“見た”よ」
堪えきることが出来なかった。
私は観念した。
私が何とかぎりぎり紡ぎ出した言葉に、シューインは驚愕した。
まさか私があの事実を知ることになるだろうとは、思ってもいなかったのだろう。
「ベベルであった…あなたとレンの──」
最後はうまく言葉に出来なかった。
今でも思い出すと泣きそうになる。
嗚咽が漏れそうになるのを必死に堪える。
「どうして…ノエルがそれを……」
シューインも混乱しているようだった。
声が心なしか震えている。
私は何と説明すればいいのか分からなかったけれど、それでも言葉を選んで、繋ぎ合わせた。