束の間の夢と永遠の夢
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時折子供みたいだ、と思わずにはいられない。
本当は心の中ではスピラを憎み、消し去ろうとしているのに。
ヌージさんや、バラライさんの身体を乗っ取ってまで。
沢山の人を傷付けてまで。
そんな酷いことをしようとしているくせに。
私の前ではどうしようもなく無邪気な表情を見せる。
そこに優しさや、慈しみの心は全く感じられないけれど。
でも、レンに見せていた表情とはまた違った顔。
だからきっと惹かれてしまうんだ。
私はじっ、とシューインを見つめた。
私の方が低い位置にいるものだから、どうしたって見上げる形になる。
シューインの青い瞳を見ていると、雷平原で見たあのベベルの一幕が脳裏に蘇る。
ユウナの、レンの歌声と共にスフィアスクリーンに映し出された情景。
忘れえぬ悲劇。
そして。
レンに手を伸ばした時のシューインの顔。
焼き付いて、離れそうになかった。
そんなことを私が考えているだろうとは全く予想もしていないシューインは、私の方へ向けて手を伸ばしてくる。
私よりも一回り以上も大きな手。
少し骨張っていて、どこからどう見たって男の人の手。
ティーダと同じように何かスポーツでもやっていたんだろうか。
身体つきもワッカには劣るものの、十分に逞しい。
「……?…なあに?」
伸ばされた手の意味が分からなくて尋ねると、シューインはからからと笑った。
本当にこうして話していると、ただの気のいいお兄ちゃんにしか思えないんだけどな。
「立ち話もなんだろ?疲れるだろうからこっちに来いよ」
シューインは自分が座っている場所のすぐ横に目配せをした。
確かにそんなに広いスペースはないけれど、私一人が座るくらいなら全く問題はなさそうだった。