束の間の夢と永遠の夢
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今だって、そう。
シューインに、逢いたい。
だから私は一人でザナルカンドへ来た。
誰にも行く先は告げずに。
ユウナ達と一緒にいたら、きっと彼には逢えない。
ううん、違うな、
それは違う。
ユウナ達といる時にシューインと会いたくないんだ。
まだ知られたくないんだ。
私の、シューインに対する想いを。
「やっぱり此処にいた」
ザナルカンド遺跡の前に佇む私に、空から声が降ってきた。
今にも崩れ落ちてしまいそうな岩で作られた像の上に。
シューインはまるでずっとそこにいたかのように腰をおろしていた。
──あぁ…やっぱり似ている
二年前共にシンを倒す為に旅をした、あの夢のザナルカンドから来た青年に。
ザナルカンド・エイブスのエース、ティーダに。
どうしようもない位に似ている。
古めかしいスフィアに映った姿を間違えるくらいだもの。
あのユウナでさえもが。
それほどに似ているんだ。
あなたとティーダは。
私はゆっくりと顔を上げる。
少しずつ、少しずつその姿を視界に収めてゆく。
「気に入ってるの、この場所。私、此処で生まれたから」
「その割には此処で会うといつも悲しい顔をしてるな」
「……そんな時に限っていつもあなたが此処にいるの。私だっていつも悲しんでる訳じゃないよ」
「そりゃどうも、すいませんねぇ」
私の言葉に対して、シューインは少しも悪びれた様子もなく言った。
おどけたように。
からかうように。
心なしか、その瞳は笑みを帯びているようにも見える。