眠れる獅子と星の雫
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誠意、というものが必要なのではないかと思う。
スコールだけでなく、人と付き合うということには。
その場しのぎなんかの対応じゃ、絶対に駄目なんだ。
「今の時間じゃ食堂はもう閉まっちゃってるから、売店のパンとかになっちゃうね…」
「…そうだな」
「あ!私の今日の夕食の残りで良かったら、残ってるんだけど…食べる?」
「……」
「不味くはない…はずなんだけど、な」
スコールの沈黙は、自分の料理の腕を否定されているような気がして正直に凹んだ。
いや、正直言って、超美味しい!とは言い難い出来ではあるけれど、それでも普通に美味しいとは思うのだ。
一人でいることが多かった私は、ずっと自炊をを続けていたから。
肩を落として落ち込んでいれば、スコールが少し慌てたようにフォローを入れてくれる。
スコールがそんな表情を見せるのは珍しい。
悪いことをした、と思ってくれているらしい。
そういうこと、いつもは思ってても口にしたりしないのに。
いや、口にしないってことは思ってもいないのかも知れないけど。
「いや…お前の料理が不味いとか言いたいわけじゃなくて…お前いつも言ってるだろ。朝の分も作り置きしてるんだって」
「……!」
どうしよう。
素直に感動してしまった。
嬉しいと思ってしまった。
スコールが私の話していたことを少しでも覚えていてくれたなんて。
「シンティア…?」
あまりの嬉しさに我を忘れてしまっていた私はスコールの声で我に返る。
挙動不審な女だと思われたら困る。
私はただ、スコールに気に留めてもらいたくて。
彼の心からの笑顔が見たいだけなのだ。
ただ、それだけ。
他に疚しい思いはない。
下心は…ない、わけじゃないのか、この場合。
純粋な親切心からの言葉や態度じゃないわけだから。
