眠れる獅子と星の雫
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大好きだから、大切だから、私のことで迷惑をかけたくない。
心配をかけてしまっていては元も子もないのかも知れないけど。
「信じてる。信じてるからこそ、弱音を吐くのは怖い。私が弱音を吐けばみんなが不安がるから」
私は時間圧縮を行おうとしている未来の魔女、アルティミシアに純粋に対抗出来る唯一の存在。
そんな私が簡単に弱音や不安を口に出してしまったら、ラグナの立てた作戦の成功率も著しく低下してしまうだろう。
それだけは何としても避けなくてはならないと思うから。
「シンティアだけが全てを背負う必要はない。そう教えてくれたのは、他でもないお前自身だ」
「……よく覚えてるね、そんなこと」
スコールはとても律儀だ。
私が言ったことを忘れてしまっているようなことでさえ、たまに覚えていたりする。
それだけ私の話を真剣に聞いて、真摯に受け止めてくれているということだから純粋に嬉しいことではあるのだけれど。
口をつぐんでしまった私を見詰めながら、スコールは私の肩を抱き寄せた。
私は抵抗することもなく、スコールの肩にそっと額を寄せた。
「他の仲間に頼りづらいなら、せめて俺に頼れよ……俺は、シンティアの恋人……だろ?」
そう、私達は付き合っているのだ。
どちらからともなく、そういう関係になった。
今まではっきりと言葉にしたことはなかったけれど、でも今スコールはあえてはっきりと言いきった。
そうすることで、私が少しでもスコールに甘えやすくなるように。
バラムガーデンで再会したばかりの頃とは本当に大違い。
あの頃は、どうしようもなくスコールとの心の壁を感じていたっけ。
それを今感じることはもうなくなった。
スコールは変わったのだ。
そして私も変わった。
私も変わったつもりでいたけれど、でもどうやらまだ私は自分一人でなんとかしようとする悪い癖が抜けきらないらしい。
私はスコールの肩に額を押し付けた状態のままで唇を動かした。
