眠れる獅子と星の雫
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「セルフィがお前を探していた」
「セルフィが?」
「ああ。実行委員の仕事で手伝って欲しいことがあるって言ってたな。詳しい内容までは聞いてないが」
「うーん……面倒だから、今日は、パス!」
そう言うと、彼女はまた芝生の上に寝転んだ。
瞳に青い空を映し、その後に俺を見る。
「せっかくスコールが私を探しにこんな所まで来てくれたんだし、今日は一緒にちょっと羽のばししようよ。最近ずっと難易度の高い任務続きだったから、流石のスコールも疲れ、溜まってるでしょ?」
澄んだ瞳に鮮明に俺の顔が映り込む。
眉間に皺を寄せた、どことなく不機嫌そうな。
それでも十七年付き合ってきた顔が。
そしてきっと同じように俺の瞳にはシンティアの姿が映し出されているんだろう。
幸せそうに頬を緩めっぱなしの彼女の顔が。
「今日くらい休んだって、罰は当たらないよ」
そう言ってシンティアは俺の手を握りしめる。
暖かい小さな掌。
それに触れられては逆らえる筈もなく。
俺は大きく長い溜め息を零した後に、芝生の上に寝転んだ。
君が隣にいて初めて
この胸は安らぎを覚える
いつの間にこの心は
こんなにも弱くなってしまったんだろう
君が居れば何もいらないなんて
そんな馬鹿な事を考えている──
《終》