眠れる獅子と星の雫
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生きているという至極簡単で明確な事でさえ、疑ってしまいそうになる。
疑問を感じてはいけないその一番の根幹さえ。
俺はまるで導かれるかのようにそっと彼女に手を伸ばす。
自分は一体何をしているんだ、と疑問に思う気持ちはちゃんとある。
頭は正確に機能している筈なのに、シンティアに触れようとしている手を止める事が出来ない。
指先が小さく彼女の白い頬を掠めた時、俺は漸く自分の身体を完全に支配下に置く事を許された。
「……っ!!」
勢い良くシンティアから離れれば、さすがのシンティアも目を覚ます。
だが自分の身に起こった事までは当然把握出来ておらず、まだとろん、とした瞳のままでシンティアはゆっくりと上体を起こした。
気怠げなその仕草は、本当にシンティアが深い眠りの底にいた事を証明していた。
「んー?スコール?」
「やっと起きたか……」
まるで何事もなかったかのように冷静に返答する。
内心ではシンティアが狸寝入りをしていたんじゃないか、と若干の懸念を抱きながら。
そんな俺の心中を知る筈もなく、シンティアは気の抜けた笑顔を浮かべた。