眠れる獅子と星の雫
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***
気がつけば、俺は自室を後にしていた。
一体何をしているんだ、俺は。
本当に自分でも意味が分からない。
部屋にいると気持ちが落ち着かなかった。
焦燥感に襲われるというか。
虚無感が押し寄せるというか。
とにかく、自分の感情を持て余していた。
だから、何気なく部屋を後にした。
その筈、だったのに。
気が付けば、彼女──シンティアを探していた。
知らず知らずの内に、目で追ってしまっていた。
本当に情けない。
あの少女一人に、自分はどうしてここまで振り回されているのだろう。
関係のない人間の筈なのに。
そして俺の足は、真っ直ぐにある場所を目指していた。
ガーデンの中でも、あまり人に知られていない静かな場所。
シンティアのお気に入りの場所。
彼女に案内されたその場所を、俺も密かに気に入っていた。
手入れもされていないのに花は美しく咲き乱れ、蝶が舞う。
生徒達の賑やかさを遮断してくれる、優しい場所。
一人で考え事をするにはもってこいの場所だった。