眠れる獅子と星の雫
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なんて、汚い。
自分で自分が気持ち悪い。
でも、何か。
何か言わなくちゃ。
「…あ、あのね、ゼル……」
「別にいいぜ。無理して何か言おうとしなくて。シンティアを困らせたい訳じゃないんだ」
「でも……!!」
「なんでだろうな。シンティアに一番に聞いて欲しかったんだ」
そんな事を言われたら、期待してしまうじゃないか。
まだ私がゼルの心に入り込む余地が残されているかも知れないんじゃないかって。
頑張ってみてもいいかも知れないって。
私は行き場を無くした手を、ぎゅっと握り締める。
私は、どうしたらいい?
私が思考を逡巡させていると、またゼルが口を開いた。
「なぁ、シンティア。もう一度歌ってくれよ。学園祭の時のお前の歌にマジで励まされたから」
「…そんな事でいいの?」
「そんな事なんかじゃない。十分過ぎるくらいだぜ」
ゼルの言葉に、私は一度だけ頷いた。
歌なら、得意だから。
私の気持ちも、ちゃんと伝わると思うから。