眠れる獅子と星の雫
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「ここは相変わらず人が多いな…まぁ木を隠すなら森の中って言うしな」
「…で、早速本題に入るけど、どうして呼び出したの?何か会って話さなくちゃいけないような大事な事?」
私は星が瞬き始めた空を見詰めたままで言う。
すると、隣に立っていたゼルが息を詰めるのを感じた。
私が訝しげに思って隣を見ると、ゼルは手摺りに突っ伏して、小刻みに体を震わせていた。
鈍い、鈍いとよく言われる私だけど、今は間違えたりしない。
ねぇ、ゼル…
泣いてるの?
こんな時、どうしたらいいのか分からなくなる。
友達として振る舞えばいいのか。
それとも好きな人として振る舞えばいいのか。
「ね、ゼル。どうしたの?何か悲しい事があったの?私、君の力になってあげられる?」
「……っ…」
漏れ出した嗚咽に、私は内心パニックになる。
それでも私は努めて冷静を装う。
私が動揺してちゃ、駄目だ。
私は恐る恐る手を伸ばす。
そしてそっとゼルの金の髪を撫でる。
一瞬ゼルはびくり、と反応したけれど、それ以上は何も言わないし、拒絶もしなかった。