眠れる獅子と星の雫
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携帯の電源ボタンを押して、通話を切る。
そして待ち受け画面に戻った事を確認してから、携帯を閉じる。
「……」
何だろう。
悲しすぎて溜息すら出やしない。
“友達”
そう、分かってるんだけど、改めてゼルの口から言われるのは辛い。
言われると覚悟している時なら我慢も出来るけど、今みたいに不意打ちで言われると結構くる。
「ゼルを待たせちゃ悪いし、行きますか」
私は身支度を整えて、すぐに寮の自室を後にした。
***
訓練施設を抜けた先にある秘密の場所。
今日も其処はやっぱり恋人達の語らいの場となっていた。
…どうしてこんな場所を選ぶかな。
私一人だったら、ものすごく居辛いじゃないか。
「悪いな、シンティア。わざわざ呼び出して」
言葉では謝罪をしているけれど、表情は笑顔で全く悪びれた様子のないゼルが走ってこちらにやってくる。
まるで子犬みたいだといつも思う。
だからいつもいつも怒る気が失せてしまう。
私は適当にひらひらと手を振って、ゼルが横に並ぶのを待った。