眠れる獅子と星の雫
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近くにいるから気付かない
当たり前だから分からない
ねぇ、私を見て
私、あの子よりもずっと
君が大好きなんだよ──
《失恋ソング》
すっかり日も暮れた寮の一室。
ベッドの上に大の字になって寝転がっていると、机の上に放ったままになっていた携帯電話が着信を告げる。
着信音が鳴り響くのがどうも嫌いで、私はいつもマナーモードにしている。
たまにセルフィが悪戯で最大音量に設定を変えたりするものだから心臓に悪い。
始めはメールかとも思っていたけれど、バイブレータが鳴り続けいるところを見ると、どうやら電話らしい。
「はいはい、今出ますよーっと……」
すっかり重くなってしまった身体を何とか起こして、私は机で鳴り響く携帯電話に手を伸ばした。
振動が指先に伝わる。
私はいつも一瞬驚いて、それから折り畳まれた携帯を開く。
ディスプレイの中央に浮かぶ名は、よく知った人のもの。
ゼル=ディン───