束の間の夢と永遠の夢
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私の言葉に満足したのか、シーモアは蒼い瞳を細める。
その慈しむような瞳に、私も微笑む。
そしていつも分からなくなる。
どうしてこんなにも優しい眼差しの出来る人があんなにも悲しい悲劇を生んでしまったのか。
どうしてこの人はこんなにも“死”を安息と信じるのか。
「ノエル…浮かない顔をして…何を考えているのです?」
穏やかな声が私に降りてくるのに気づいて私ははっと我に返る。
どうして大切な人が側にいるのに私は他のことを考えてしまったんだろう。
「何も?あなたの側にいられて幸せだな、って」
「これからはずっと一緒でしょう?」
でも私は見逃せなかった。
私が抱きしめる腕の力を強くした瞬間にあなたの体から幻光虫がふわりと浮き上がるのを──
私は本能的に分かってるんだ。
私たちの関係に“永遠”なんてないのだと。
「うん、ずっと一緒だよ…」
本当の“死”が二人を別つまでは──
その言葉は何とか自分の内側に抑え込んだ。
あなたの笑った顔を歪めたくなくて。
《終》