束の間の夢と永遠の夢
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そう最初に切り出したのは他でもないユウナだった。
オッドアイの瞳はうっすらと涙が滲んでいたけれど、その内には折れることなき信念がはっきりと輝いていた。
「ノエル、またね」
「うん、またね。ユウナ」
私もユウナも“さよなら”とは言わなかった。
ううん、言いたくなかった。
言ってしまったら、本当になってしまうような気がして。
ユウナはすぐに歩き出した。
決して私の方は振り返らずに。
そしてその後にキマリが続く。
ルールーが私の頬を撫でて、ワッカも歩き出した。
ワッカは何度も名残惜しそうに私の方を振り返った。
私はそれを少しの苦笑いで見送る。
「ノエル…」
「そんな顔、しない!“笑って旅”しなきゃ」
「…そうッスね」
私の言葉にティーダは無理やり笑顔を作る。
全然笑えてなんてなかったけれど、私は黙ってた。
「もう!チィは本当に泣き虫なんだから。だからノエルが安心して行けないんじゃん!ほら、行くよッ」
リュックがぐいぐいとティーダの腕を引っ張って、ユウナの後を追った。
残されたのは、私と…アーロン。
「子守役が少し楽になってせいせいした?」
私は少し皮肉を込めて言った。
そうしないと本当に泣いてしまいそうだった。
ティーダがスピラに来るまで、弱音を吐けるのはアーロンだけだったから。
ユウナ達といる時は“強い私”でいよう、といつも気を張っていたから。
「そうだな。娘を嫁に出す父親の心境だ」
私の気持ちを察してか、アーロンも珍しく冗談を言う。
それを見て、私は笑った。
アーロンも口元を緩める。