眠れる獅子と星の雫
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SeeDの就任バーティ。
私、本当は全然楽しみじゃなかったんだ。
あまり派手なことは好きじゃなかったし、私にはやらなくちゃいけないことがあったから。
でも。
知らない女の子とダンスを踊っている君を見たら、どうしてか胸が苦しくなった。
これって『嫉妬』っていうのかな。
私、スコールの事が好きなのかな。
《空を飾る大輪の花》
パーティが始まって早々にセルフィとゼルはどこかへ行っちゃうし、人があまりにも多くて酔っちゃうしで、本当に散々だった。
こんなことになるんなら、ゼル達の誘いも断って、部屋でゆっくりしていれば良かった。
SeeDに着任した女子にだけドレスを貸し出してくれる、なんて甘い言葉に乗るんじゃなかった。
ドールでの試験で力を使い過ぎたから、体がうまく動かなかった。
力が暴走しそうになるまで戦ったのだから自業自得なのかも知れないけれど、スコールが止めてくれなかったら、本当に危なかった。
だからSeeDになれこそしたものの、どうしてもそれを祝う気分にはなれなかった。
「シンティア、大丈夫?顔色が悪いわよ」
いつの間に隣に来ていたのか、キスティスが心配そうに私の顔を覗きこんでいた。
キスティスはいつもの私服姿だった。
ドレス姿、少し見てみたかったな。
背が高いし、細身だからどんなタイプのドレスも似合うと思うんだけどな。
元々、すごく美人だし。
キスティスは、冷たい手の平を私の額に乗せる。
熱はないと思う。
自分のことだから何となく分かる。
「うん、熱はないみたい。やっぱりただ疲れているだけかしらね」
「……多分」
「念の為にカドワキ先生の所に行っておいた方がいいわよ。これからの任務に差し支えるかも知れないから」
「そうします」
私はキスティスにぺこりと頭を下げてからパーティ会場を後にした。