束の間の夢と永遠の夢
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確かにユウナやティーダたちは、私にとってとても大切な存在だ。
でも、それ以上に大切なものを、私は見つけてしまったんだ。
「お前がそこまで言うのなら、俺は何も言わん。戻ってきたくなったらすぐに戻って来い。そのための場所はいつでも開けておく」
「ありがと…アーロン」
「ふん…」
私はどこまでも優しいアーロンの言葉に思わず頬が緩んでしまった。
どうしてこんなにも私の周りには優しい人ばかりなんだろう。
私はわがままでみんなの側を離れようとしているのに、暖かく受け入れようとしてくれている。
「アーロンまで…!!本当にそれでいいのかよ!?」
ティーダだけは相変わらず私を引き止めようとしてくれる。
ワッカもルールーも、少し呆れてはいるようだけれど、私の選択だから認めてくれている。
長い間ユウナ、ワッカ、ルールーと暮らしてきたけれど、私が何かを押し通そうとするのは初めてだったから。
「あんた、ちょっとはノエルの気持ちも考えてあげなさいよ。離れたくない気持ちはみんな一緒なのよ」
ルールーがティーダを睨み付けるように、でも諭すようにまっすぐ見据えている。
赤い瞳が少し潤んでいるようにも見える。
「あんたがノエルを大切に思ってて、守り抜きたい気持ちが分からない訳じゃないわ。でも何よりも…ノエルの意思を、ノエルの幸せを考えてあげなさい」
「ルーの言うとおりだぜ。ノエルが少しでも悲しそうな顔をしたらその時は本当に奪ってやればいいんだよ」
ワッカもルールーの意見に賛同してくれる。
私は本当に嬉しくて涙が出そうになる。
でも、泣いちゃいけない。
これ以上みんなを困らせてはいけない。
「ノエル…本当にお別れなのか?」
ティーダが私の前に立って、小さく体を震わせながら尋ねてくる。
心苦しいけれど、でも私はもう決めたから。
私は無言のままで一度首を縦に振った。