束の間の夢と永遠の夢
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私、嫌な子だってちゃんと自覚してる。
ちゃんと分かってるの。
さっきだってティーダにあんな顔させるつもりはなかったんだ。
ただ、私が側にいるのに、別の女の子のことを考えて欲しくなかった。
こんなの、ただのわがままだ。
付き合っているわけでもないのに、側にいる時くらいは自分のことだけを考えていて欲しいって思ってしまうのは。
私だけを見ていて欲しいって考えてしまうのは。
彼が大変なのはよく分かってる。
自分のいたザナルカンドがシンに襲われて。
大切な幼馴染みとも離れ離れになって。
不安じゃないはずないんだ。
平気そうな顔してるけれど。
気丈に振る舞ってみせるけれど。
きっといろいろ悩んでいるんだと思う。
笑顔の裏側で、私達の知らないところで、戦っているんだと思う。
彼は本当にすごい。
弱音も口にせずに、前に前に進もうとしている。
私だったらきっと堪えられない。
きっと立ち止まって諦めてしまうと思う。
そんなティーダの瞳に映りたいなんて考えてしまうのは贅沢なんだ。
だって彼には。
ノクスっていう大切な幼馴染みがいるんだから──
私は「代わり」にしかならない。
ノクスさんという幼馴染みが生きている、と自分を勇気づけるための支えにすぎない。
小さい頃には、私の存在が誰かの力になれるなら、それはとても嬉しいことなんだと思ってた。
でも今は違う。
そんなことでは私は満たされないんだ。
私は、望んでいるんだ。
私が、救われることを。
変わりたい、そう思うのに。
キミのことを考えると分からなくなる。
キミはあの人がいなくなって、白黒に戻ってしまった世界に、また色を取り戻してくれた人だから。
だから、なのかな。
私がキミをとても懐かしく思うのは。
私も、キミにあの人を重ねあわせてるだけなのかな──?