本当の君を探して
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「じゃあ、どうして?」
クラウドが青い瞳を私に向けてくる。
私は時折クラウドの瞳を見て、不安にならずにはいられなかった。
あまりにクラウドの瞳は澱みなく真っ直ぐで。
世界を知れば、クラウドが傷ついてしまうような気がして。
ニブルヘイムにいればクラウドはきっと傷つかない。
この狭い箱庭に閉じ込められとしまうことになるかも知れないけれど、幸せでいられる。
この温かい何もかもが満たされた世界にいて、何も知らずに生きていくのか。
それとも外の世界に身を投じ、傷つく事を厭わずに、世界の、私の真実に近付くのか。
それを選ぶのは他でもないクラウド自身だから。
「不安だから、かな?」
「不安?」
幼さの残る顔立ちを少し右に傾けながら、クラウドは復唱する。
私が小さく頷くと、クラウドは言葉を紡いだ。
「どうして不安なの?イフがソルジャーになるわけじゃないだろ?……あ、俺がソルジャーになるのは無理だと思ってる?」
「そうじゃないの。だってクラウドはニブルヘイムで剣術も一番うまくなったし……」
「イフの次に、だけどな」
「……とにかく、ソルジャーになれるだけの素質は十分にあると思う」
私が言葉を詰まらせているとクラウドは踵を返して私に背を向けた。
まだ私よりもほんの少し低い身長。
きっとこれから私を追い越して、どんどん大きくなるんだろう。
切ないけれど、それが現実。
「認めて……欲しいんだ。イフに、皆に」
絞り出すような声に、泣きたいのは私の方だと言いたかった。
自分の中に燻り始めた感情をぶちまけてしまいたい衝動に駆られていた。
でもそれは私の我儘だ。
私の我儘の為にクラウドの無数にある可能性を否定してはいけない。
私が我慢すれば何もかもがうまく回るんだ。
でも、どうしても伝えておきたかった。
どうしようもないことは分かっていたけれど、私の本当の気持ちをちゃんと知っていて欲しくて。