本当の君を探して
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私はクラウドの身体をそっと離した。
泉の冷たい水に体温を奪われて、私の身体もいつの間にかすっかり冷たくなってしまっていた。
クラウドが抱きしめていてくれたから気がつかなかったけれど、こうして離れてみると、ぬくもりが失われていくのが分かる。
でも、今は寄りかかっていちゃ駄目だ。
私の誠意を示さなくちゃ。
真っ直ぐに向き合って、クラウドに、踏み出す勇気をくれたエアリスに。
私の気持ち、伝えなきゃ。
この場所で、誓う。
私たちが本当に赦されるのはこの場所だけだ。
「クラウド、聞いて?私、ずっとあなたが大好きよ」
「…知ってる」
「これからは、もう迷ったりしない。遠慮したり、しない。クラウドの気持ち、分かったから」
「うん」
私は手を差し出す。
抱きしめあうよりも、何故か不思議とそうしたかった。
私の気持ちに嘘はないのだと、信じてほしかった。
クラウドは少し苦笑いしながら、私の手を包み込んでくれた。
私たちはその手を握り締めて、泉をゆっくりと出た。
花畑の景色を目に焼き付ける。
「「ありがとう、エアリス」」
どちらからともなく、私とクラウドは呟いた。
この場所でどうしても口にしておきたいことは、どうやら二人とも同じだったらしい。
私たちは互いの顔を見て笑いあった。
繋いだ手はそのままに。
《終》