本当の君を探して
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私はすぐに言葉を紡ぎだすことが出来なかった。
答えはもうずっと前から私の中にあったのに。
クラウドの瞳を見ていると、泣きそうになって、うまく話せなくなる。
クラウドは、私の首筋に顔を埋めた。
首筋に触れる金の髪がくすぐったい。
吐息が近くに感じられてすごく緊張する。
「まだ、信じられないか?」
そんな訳じゃない。
私は小さく一度だけ首を振る。
それだけでクラウドに私の気持ちは伝わっているはずなのに、クラウドは少しも私のことを解放してくれない。
私は今の自分の正直な気持ちをおずおずと口にした。
クラウドが受け入れてくれるかどうかは分からなかったけれど、自分の気持ちを偽るのはもう、嫌だから。
「本当にいいのかな、って不安になる。私だけが幸せになっていいのかなって。この場所だと特に、そう思わずにはいられない」
「そんなこと、エアリスが咎めたり、僻んだりするわけないだろ?“イフは言い訳してるだけ、だよ”ってエアリスは言ってた」
「言い訳?」
「“逃げるための口実を初めから作ってるだけ”だって」
確かにそのとおりかも知れない。
私は初めから逃げることだけを考えて生きてきたんだ。
だって、私は逃げなければ生き延びることが出来なかったから。
逃げ続けたその先にこそ、幸せがあると信じてきた。
だから、自分から手に入れる幸せなんて、不安で心配で仕方がない。
例えクラウドが誓ってくれても。
「逃げないでも済むように、俺が必ず守るから。今度は、何があっても」
決意に満ちた眼差し。
私は何度その瞳を見てきたことだろう。
私は何度その眼差しから逃げ続けてきたのだろう。
向き合ってるつもりでいて、実際はそうじゃなかった。
逃げるのは、もう、おしまい。
「その言葉、今度こそ、信じる」