本当の君を探して
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相変わらず色とりどりの花は咲き乱れ、陽の光は教会の中を明るく照らしていた。
三年前に花畑があった場所は、今は小さな泉のようになっている。
星痕症候群を治すことの出来る不思議な水。
それは今も涸れることなく、その場所にあった。
その周りを取り囲むように花は力強く咲いていた。
まるでエアリスの遺志のように。
彼女の望みのように。
そして私の探し人は、泉の中央に立ち尽くしていた。
目を閉じたまま、微動だにしない。
私の来訪にも気付いていないようだった。
あんなにも大きなエンジン音を響かせてきたのに。
私は思わず、彼の人の名を呼んだ。
何故か彼がとても儚いもののように思えて、今すぐにでも消えてしまいそうな気がしたから。
「……クラウド」
私の声にクラウドは弾かれたように目を開けた。
本当に私が来たことに気付いていなかったらしい。
大きく見開かれた瞳が暗にそれを示している。
驚いたような、怯えたような表情。
その顔を見ていたら、クラウドが唐突にセブンスヘブンから居なくなってしまった理由が、私にあるような気がしてならなくなった。
「イフ…?どうして此処に?」
長い間声を発していなかったのか、クラウドの声は低く、掠れていた。
私は、呼ばれもしないのに、ゆっくりと泉に足を踏み入れた。
拒絶されるかもしれない、という恐怖はあった。
でも、クラウドは私の行動を見ても何も言わなかった。