本当の君を探して
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私は扉を出てからすぐに振り返り、部屋の中に居るルーファウスたちを見つめた。
昔、私が居た場所。
それが今はとても懐かしい。
私の居場所は今、ここではないから。
私の居場所は「彼」の側だから──
「ばいばいっ!」
手を振って私は勢いよく扉を閉めた。
目的地はもう決まったから。
早く走り出したくて仕方がない。
私は階段を一番飛ばしに駆け下りると、すぐさまフェンリルに跨り、エンジンをかけた。
あまり長居はしていないから、まだエンジンは暖かかった。
これなら暖気をしなくてもすぐに走り出せそうだった。
「行くよ、フェンリル!」
私はフェンリルに声をかけて、スロットルを全開で回した。
***
私はミッドガルを駆け抜け、すぐにエアリスの教会の前に到着した。
本当に懐かしい。
この教会だけが、三年前とほぼ変わらぬ形で残存している。
メテオの直撃を受けたはずなのに、ホーリーが、星の力がまるでそこだけを大切に守ったかのように。
私はフェンリルを止め、静かに歩いた。
クラウドがもしも本当に中にいるのなら、私が来たことはフェンリルのエンジン音ですでに分かっているはずだ。
仲間の中であの操縦の難しいフェンリルをうまく乗りこなせるのはクラウドと私だけだから。
もし生きていれば、ザックスもきっとうまく乗るんだろうけど。
両開きの重い扉を、私はゆっくりと押した。
錆びた音が教会に静かに響いていた。