本当の君を探して
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「イフ、行かなくていいのか?いつまでも同じ場所に留まっているとも限らないぞ」
ルードの言葉に私ははっとする。
確かに彼の言うとおりだ。
クラウドの目的が分からない今、いつまでもエアリスの教会にクラウドが居るとは限らない。
私はもう一度ルーファウスを見た。
別れを告げるのはいつも私から。
そして今回もヒーリンを去るのは私。
彼のアイスブルーの瞳は、冷たい色を湛えているけれど、私にはやっぱりそうは思えない。
だって、私はその奥にある、ルーファウスの優しさを知っているから。
「ありがとう。じゃあ、行ってくるね」
「ああ。何かあったらまた来い」
「何もなくても、また近い内に」
「……?」
私はそこまで言ってから、ルーファウスから一度視線を外し、いつの間にかルードの側に戻っていたイリーナを視界に捉えた。
私の言葉の意味が初めから分かっているイリーナは嬉しそうに笑う。
「イリーナと約束、したからね。またすぐに来るよ」
「分かった。道中気をつけてな」
「ありがとう、じゃあ」
私はすぐに踵を返す。
昔のように別れを惜しむ必要はもうないのだ。
だって、私が望めばすぐにでもまた会うことが出来るのだから。
「ツォンも、またね。仕事、無理しちゃ駄目だからね」
「ああ、分かっている」
「レノはもう少し真面目に働いて。私が来たフェンリルの音にいちいち反応しない!」
「それは無理なお願いだぞ、と」
私はそれ以上レノに何かを言い返すのが面倒くさくなって、切り返すことは敢えてしなかった。
扉の前に立つ、ルードとイリーナを見つめる。
「ルード、あの頼りない相棒、何とかして。イリーナ、次はお土産持ってくるから期待しといて?」
「ああ…」
「はい!楽しみにしてます!」