本当の君を探して
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イリーナは声のトーンを低くして、しゅんと項垂れる。
まるで私が悪いことをしているような気分になるくらいだ。
イリーナを前にすると、自分が姉にでもなったかのように感じてしまう。
歳自体はほとんど変わらないけれど、イリーナが無条件に慕って、懐いてくれるから、そんな錯覚を起こしてしまうのだと思う。
「大丈夫。やらなくちゃいけないこと、一段落したから、クラウド見つけたら、またすぐに遊びに来るよ。イリーナに話したいこと、沢山あるし」
イリーナは暫く私に疑いの眼差しを向けていた。
それでも誰が止めても、私がクラウドに会いに行くだろうことを一番分かっているイリーナは渋々承諾してくれた。
きつく寄せられた眉根を見るに、かなり嫌々、仕方なしに、といった感じだ。
「絶対ですからね!もしすぐに遊びに来てくれなかったら、携帯の着信履歴が私の名前一色になるくらいに、電話しまくっちゃいますよ!」
「う…うん、約束する」
着信履歴を一杯にするくらいなら、イリーナなら本当にやりかねない辺りが怖い。
メールの受信ボックスを一杯にする、と言われなかっただけ、まだマシだと思う。
「クラウドなら、ミッドガルのあの古代種が大切にしてた教会にいました」
「エアリスの教会に?」
「はい。さっきまでルード先輩とミッドガルの調査に行ってきていたんですけど、偶然あの教会に入って行く所を、私この目で見ましたから」
自信たっぷりに言うところを見ると、どうやらその話は本当らしい。
燈台下暗し、というやつだ。
まさかエアリスの教会にいるとは思わなかった。
しかし普通に考えればフェンリルを置いて行っているのだ。
そう遠くに行ける筈がなかったのだ。
