こばむ｢あ、物間くん…！｣

物間｢…なに‍？ちょっといい着物を着せてもらったからって見せびらかして歩いてるの‍？｣

こばむ｢あ…そういうつもりじゃなくて…せっかく綺麗にしてもらったから物間くんにも見てほしくて…｣

物間｢！…ふーん。まぁまぁいいんじゃない‍？｣



＊＊＊



こばむ「あ、物間くん」

物間「！ゆ、浴衣なんて着ちゃって、まさか花火大会に行くつもり！？」

こばむ「うん。近くで見たくて」

物間「あんな人混みに率先して行くなんて信っじられない！せいぜい揉みくちゃにされてきなよ」

こばむ「うー…頑張る」

物間「……」

こばむ「？」

物間「す、少しだけならついて行ってやっても構わないけど……！」

こばむ「いいの……？でも揉みくちゃにされちゃうよ？」

物間「少しくらいなら平気だからね……」



＊＊＊



物間「叶！」

こばむ「あ、物間くん、おはよー」

物間「あー……君のことだから、どうせ２４日は暇してるんだろ？僕も偶然その日だけ空いてるから付き合ってあげても──」

こばむ「２４日……あ、その日は一佳ちゃんと」

拳藤「あーっと！その日ばあちゃん家に行かないといけなかったの忘れてたー！ってことで物間に付き合ってやって？」

こばむ「え？え？」



＊＊＊



こばむ「？」

麗日「どしたん？」

こばむ「うーん……見られてるんだよね」

麗日「え！？だ、誰に！？」

こばむ「物間くん」

麗日「物間くん？」

こばむ「うん。拳藤さんに相談したら、バレンタインまでの間だと思うから放っておいていいって言われたんだけど、やっぱり気になって……」

麗日「(物間くん、こばむちゃんからチョコもらいたいんかな……？)」



＊＊＊



こばむ「物間くん、いる？」

拳藤「ちょっと待ってね。おーい、物間ー！」

物間「！」

こばむ「あ、物間く──」

物間「ぇ、Ａ組の君がわざわざＢ組に何の用かな！？」

こばむ「バレンタインのチョコ渡そうと思って。なんだかんだお世話になってるから」

物間「……」

こばむ「物間くん？大丈夫？顔赤いよ？」

物間「ハァ！？よく見なよ、全然そんなことないから！まぁ、とりあえず礼は言っておこうかな！ありがとう！」