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切島「……」

こばむ「っ……!切島くん!よかった、目が覚めて……!」

切島「俺……助かった、のか?」

こばむ「うん、あのあとすぐに爆豪くんと緑谷くんが救けに来てくれて……」

切島「そっか……なあ、もしかしてずっと手握っててくれたのか?」

こばむ「え?あ、うん。私にはそれくらいしかできないから……」

切島「……っ」

こばむ「……あれ、切島くんもしかして泣いてるの?」

切島「な、泣いてねえ……!」



***



こばむ「……ん」

切島「あ、わり、起こしたか?」

こばむ「へーき。もう起きないといけない時間、だし」

切島「そうか」

こばむ「切島くん、いー匂いがする」

切島「ちょっと走りに行って汗かいたからシャワー浴びてたんだ」

こばむ「ぎゅー、して?」

切島「は!?おめぇまだ寝てんのか!?」

こばむ「起きてるよー。朝からいい匂いの切島くんにぎゅーされて一日が始まったら最高だなーって」

切島「……」

こばむ「ん」

切島「……一回だけだからな」



***



切島「ただい──って暗っ!」

こばむ「……おかえり」

切島「おわっ!び、びっくりした……電気も点けねぇで何やってんだよ」

こばむ「えーじろー!」

切島「おー、よしよし。なんか嫌なことでもあったんか?」

こばむ「……」

切島「黙ってちゃわかんねぇだろ?」

こばむ「……鋭児郎にぎゅってしてもらったら、なんかどうでもよくなった」

切島「そ、そうか?」

こばむ「ダッシュでご飯作る!」

切島「よし、俺も手伝うぜ!」



***



こばむ「……」

切島「どうしたんスか?」

こばむ「あれ、すごい時計だなって思って」

切島「ああ、あの時計すっげー気に入ってて、雄英のときから使ってるんですよ」

こばむ「へえ、切島くんって感じの時計だもんね。私の部屋の時計、買い換えようかなって思うんだけど、どんなのがいいかな?」

切島「こばむさんの部屋なら……か──」

こばむ「か?」

切島「かわいいのがいいと……ってからかわないでくださいよ!」

こばむ「えへへ、ごめん。つい!」



***



切島「!」

こばむ「……!」

切島「、おまえ……」

こばむ「あはは、あれくらいのことで泣いちゃうなんて、まだまだだな、私!」

切島「……そんなこと、ねえだろ」

こばむ「でも……」

切島「泣いたっていいじゃねえか!おもいっきり泣いて、また頑張ろうぜ!俺にできることなら手伝うし!」

こばむ「切島くん……」

切島「だから、今は我慢せずに泣いたっていいと思うぜ。絶対誰にも言わねえ」


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