最初で最後の君との約束
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俺は思わず梨紅の腕を引いて、その場に立ち止まる。
驚いた梨紅は大きく目を開いて俺を見上げてくる。
「珪くん?どうしたの?」
梨紅の問いかけに答えず、俺は梨紅の手を握った。
思った通りだった。
梨紅は元々体温が少し高いと言っていた。
なんだかまだまだ子供みたいで嫌なのだと。
だけど、それがどうだろう。
今俺が握りしめた梨紅の手は、氷にずっと触れていたように冷たくなってしまっていた。
「冷たい…」
「あ、うん。学校終わってからあそこで待ってたから、ちょっと身体冷えちゃったみたい…あ、でも平気だよ!ちょっと歩けば身体ぽかぽかしてくると思うし!」
懸命に主張してみせるけれど、なんだかその笑顔さえ痛々しく思えてくる。
俺は無言のままで自分のマフラーを取り、梨紅の首に巻き付けた。
少し大きめのマフラーは梨紅の口元近くまで覆い隠してしまったけれど、そんなことは気にしない。
それくらいの方がきっと温かくてちょうど良いだろうと思ったから。
「え!?これ、衣装なんだよね!?だ、ダメだよ!」
慌てた梨紅がすぐに外そうとするけれど、手を押さえつけてそれを制した。
「いいから。お前が風邪引いたら困るから」
「…ありがとう」
梨紅はまだ何か言いたそうではあったけれど、俺が引くつもりがないことを察すると抵抗することをやめた。
