最初で最後の君との約束
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「梨紅ちゃんも長い間待たせて悪かったわね」
「いえ!篠宮さんが一緒に話してくださったりしたので、全然長く感じませんでした。ありがとうございました!」
「ふふふ、いーのいーの。気にしないで。梨紅ちゃんと話せて楽しかったし」
篠宮さんと梨紅はいつの間にか仲良くなっていた。
篠宮さんは男だけど可愛いもの好きで、初めて梨紅が撮影所にコーヒーを持ってきた時からいたくお気に入りで、時間があれば梨紅と楽しそうに話をしていた。
初めこそ嫉妬…のようなものをしたものだけれど、話の内容がぬいぐるみの話やら、どこのカフェが美味しくて内装が可愛いだのといったものばかりだと分かってからは、あまり気にしないようになった。
篠宮さん自身、普通の女の人よりも断然女らしいし。
「また話しましょうね、梨紅ちゃん!」
「はい、是非!」
ひらひらと手を振りながら奥に戻っていく篠宮さんの背を見送ってから、俺と梨紅は撮影所を後にした。
まだ秋だけれど、夜になるとさすがに少し肌寒い。
ジャケットにマフラーを巻いているから寒くはないけれど…
そこまで考えてから、梨紅を見下ろした。
一体何時からここで待っていたのだろう。
この肌寒さの中、ずっと待っていたのなら寒くないはずがない。
梨紅は何も言わず、少し嬉しそうに歩いているけれど、もしかしたらただ黙っているだけなのかも知れない。
