最初で最後の君との約束
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
烏の濡れ羽色の髪を揺らしながらやってきて、俺の前で急停止する。
男性なのに小柄で華奢な体型の彼は、俺を見上げて慌てた様子で言葉を発する。
「葉月くん、早く着替えて!あの子、ずーっと外で待ってるわよ!」
その言葉に心臓が跳ね上がる。
期待してしまう。
「あの子って…」
「あの子って言ったら一人しかいないでしょ!中に入って待ちなさいって言ったんだけど、今日はコーヒー持ってきたわけじゃないですからって断られてって……葉月くん!?」
撮影で着た衣装もそのままに、俺はすぐさまその場から走り出した。
着替えないといけないのは分かってた。
それでも早くあいつの顔を見たくて、子供みたいに駆けだしてしまった。
撮影所の入り口まではそんなに遠くない。
それでも少しも前に進めていないような気がして、自分の足を疎ましく感じずにはいられなかった。
すれ違うスタッフの人が驚いたように俺を振り返るけど、そんなこと少しも気にならない。
少しでも早く、あいつの──梨紅の姿をこの目に映したかった。
入り口の扉を勢いよく開け放つ。
外はもう既に真っ暗で街灯の光が煌めいている。
「梨紅っ…!」
自分でも思いがけず、彼女の名前が口からこぼれ出る。
しかし辺りを見回してみても彼女の姿は見当たらない。
