最初で最後の君との約束
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だけど、あいつは来なかった。
時折こちらの様子を伺っているようではあったけれど、結局今日一日、一度も話しかけられることはなかった。
授業が終わってからはすぐに撮影所に来た。
学校に残っていても仕方がないし、バイトもあったから。
何かに追われているふりを自分ですることで、逃げたのかも知れない。
もしかしたら、自分の誕生日のことなんて忘れているのかも知れないという事実を突きつけられるのが怖くて。
他人にどう思われていようが平気だった。
見ず知らずの人間からの評価なんてどうでもよかった。
自分には関係のないことだと思っていたから。
でもそうじゃなかった。
今、こんなにも気にしている。
たった一人の少女の行動を、言葉を、思いを。
「お疲れさまでしたー!」
耳がその声を拾い上げた時、ようやく現実に帰ってきたような気がした。
今日はどんな撮影だったのか、どんな服を着たのか、何着着たのか、どんなポーズの指示をされたのか、おかしいくらいに全く覚えていなかった。
「お疲れさまです…」
ぼそりと小さな声で挨拶をして、歩き出そうとすれば、メイクの篠宮さんがこちらへ向かって勢いよく駆けてきた。
