最初で最後の君との約束
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梨紅の寝顔を見れたことは正直嬉しい。
また子供の時と変わらない一面が見れた気がして。
だけど、同時に不安にもなる。
こんなところで無防備に寝顔をさらして。
誰か他の男に触れられてしまったらどうしよう、と。
再会した時は、純粋に子供の頃と変わらないでいてくれたことが嬉しくて安心もした。
でも、共に過ごす内に醜い嫉妬心のようなものが芽生えるようになった。
梨紅が他の男と話しているだけで。
梨紅が他の男と笑っているのを見るだけで。
胸が苦しくなって、吐き気がする。
だけど、梨紅は俺のものじゃない。
伸ばされていた手を掴めなかったのは、他でもない自分自身のせいだから。
もう一度俺から手を伸ばしたなら。
お前はこの手を掴んでくれるだろうか。
お前を置き去りにした俺を、許してくれるだろうか。
「…梨紅」
もう一度名を呼んで、そっと手を伸ばす。
指先に彼女の柔らかい髪が触れる。
こんなにも近くにいるのに。
お前の心は遠くて。
全く触れられそうにない。
