最初で最後の君との約束
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静まり返った廊下を歩けば、自分の足音だけがやけに大きく響く。
いつもなら部活動をしている学生達の声にかき消されている音が、テスト前で部活動禁止の為にはっきりと聞こえる。
漸く辿り着いた教室の扉をゆっくりと開けば、そこには待ち望んでいた人物の姿があった。
ただし、勉強をしているのではなく、机に突っ伏していたけれど。
一瞬心臓が跳ねたけれど、規則正しく上下する肩に、彼女はただ眠っているだけなのだと瞬時に理解する。
真面目な彼女のことだ。
学校での居残り勉強以外にも、自宅で夜遅くまで必死に勉強しているんだろう。
俺の知る梨紅という少女はそういう存在だ。
いつでも、何に対しても一生懸命で、精一杯で。
そして時折自分の限界を超えてしまっていることにも気付かずに無茶をする。
だから放っておけない。
気がつけば目で追ってしまう。
彼女はそれに全く気付かないけれど。
でも、それでも構わない。
梨紅の傍に居られるのなら。
「…梨紅」
小さな声で名前を呼んでみる。
だが、返事はない。
どうやら本気で眠っているらしい。
梨紅の前の席に腰を下ろし、しばし反応を伺ってみるものの、特にはない。
ただ近寄ったために、微かな寝息が聞こえるようになったくらいだ。
