最初で最後の君との約束
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「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりでしょうか?」
「梨紅…?」
「……和馬…」
部活帰りに腹が減って、何気なく入ったファーストフード店。
いつものお決まりの文句に顔を上げればよく見知った顔。
そしてあまり見たくなかった顔。
いや、正確には見たくなかった表情。
完璧すぎる営業スマイル──
誰にでも平等に見せる笑顔。
完璧で。
機械的で。
自動的。
それ故に、其処に心は存在しない。
彼女の笑みは人に嫌悪感を与えない。
でもそれ以上の感情は与えない。
人の心を動かすだけの力はない。
広がりゆく笑顔のきっかけにはなるかも知れない。
でも、それだけだ。
近くで何度もその笑顔を見てきた筈なのに、どうして気付けなかったのだろう。
違和感だけは、ずっと感じていたのに。
「和馬…?」
梨紅の戸惑ったような声に、俺は漸く我に返る。
いつの間にか梨紅を凝視したままフリーズしてしまっていたのだ。
俺は頭を振って、頭の中の雑念を振り払った。
