最初で最後の君との約束
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俺はそんな[#dn=1#]を見ながら、笹に[#dn=1#]の短冊を結び付ける。
出来るだけ高い位置に。
出来るだけ人の目に触れない角度で。
[#dn=1#]の願い事を叶えてやるのは、俺一人では出来ないから。
だから、今の[#dn=1#]の些細な願いくらいは叶えてやりたいと思う。
「お前の願い事、叶うといいな」
「……うん!」
頭を撫でてやれば、本当に嬉しそうに笑うから。
だから、いつも思うんだ。
誰でも構わないから、彼女の願いを叶えてやって欲しいと。
いつも誰かを優先して、滅多に自分の願いを口にしない彼女の小さな祈りを聞き届けてやって欲しいと、願わずにはいられないんだ。
「もう帰るんだろ?」
「うん。珪くんが私の代わりにあんなに高いとこに結んでくれて、目的は達成したからね」
「じゃあ、送る」
「……うん」
俺が送ることを拒まなくなった[#dn=1#]は、少しだけ俯いて、小さく一度だけ頷いた。
細く柔らかな髪の隙間から見えた耳が、赤く見えるのは気のせいなんかじゃない。
そう思いたい。
一年に一度だけ
逢うことを許された日があるだけ
織り姫と彦星は
きっと幸福だ
何年も会えなかった俺達に
神様は何を
与えてくれるんだろう
許されるならば
会えない時間を埋めるほどの
幸福な時間を───
《終》
