最初で最後の君との約束
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「珪くんも購買にパン、買いに来たの?」
「いや…猫の様子、見に行ってただけ」
「そうなんだ。元気そうだった?」
「ああ」
いつもと同じ、明るい[#dn=1#]。
曇りのない笑顔。
さっきの表情がまるで嘘のような。
何でもないなら、それで構わないんだ。
[#dn=1#]が話したくないと思うのなら、俺は無理に聞き出そうとは思わないから。
「あ、次の移動教室の準備してないんだった…私、ちょっと先に行くね」
「…ああ」
「それじゃ、またあとで」
軽やかに身を翻し、教室へ向かう[#dn=1#]。
その背中を見送った後に、俺は梨紅が見上げていたものに視線をやる。
天井近くまで背丈のある大きな笹。
今日が七夕だということで、笹には所狭しと短冊やら笹飾りやらが結ばれている。
笹に一体何があったのだろうか。
気にならない、と言えば嘘になる。
それでも考えても[#dn=1#]の考えていることは分からない。
[#dn=1#]の考えていることは[#dn=1#]にしか分からないから。
俺は先程まで[#dn=1#]がそうしていたように、笹をたっぷりと見つめてから、その場所を後にした。
