最初で最後の君との約束
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当の本人はすごく落ち着いていらっしゃるけれど、普通はもっと慌てる所だ。
スタッフの人達にも迷惑かけてしまっているんだし…
「そ、それって大丈夫、なの?葉月くん、怒られちゃったりしないの?」
私の言葉に、葉月くんは少し考え込んでから返答した。
その口調でさえ、全く狼狽えた様子はなく。
本当に大物なんだなぁ、と逆に私が感心してしまいそうになる位だ。
「平気だろ。連絡、特になかったし」
あっさりと口にする葉月くんに、私は思わず笑ってしまう。
そんな私を見て、葉月くんは眉を顰める。
あれ?
もしかして、怒った?
「気分、悪くさせちゃったんなら、ごめんね。葉月くん、何だか私が考えてたよりも、ずっと男前で格好よかったから、つい」
「………」
「歩きながら話そっか。これ以上遅くなったらさすがに怒られちゃうかも知れないし」
私が歩き始めると、葉月くんも私に合わせて歩き出す。
足の長い葉月くんは、歩幅の小さい私に合わせてくれていた。
そういう気遣いって、やっぱり嬉しい。
良かった。
勇気を出して、一緒に帰ろうって切り出して。
夕暮れの道に、私達二人の影が長く伸びていた。
まだまだ私は臆病で
大きく前へ踏み出す
勇気はまだ持てそうにない
だけど、それでも
私は私のペースで前へ進もう──
《終》
