最初で最後の君との約束
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私は思わず珪くんの顔を見上げる。
鮮やかな常盤緑と、ばっちりと目が合う。
何だろう。
珪くんの瞳からうまく、感情が読めない。
これは、戸惑い?
私が見上げたまま言葉を紡げずにいると、珍しい事に珪くんの方から沈黙を破った。
いつも私が一方的に話して、珪くんが相槌を打つ、というのが平常スタイルになっているものだから、なんだか不思議な感じがした。
「はぐれる、から」
ぽつり、と呟かれた言葉。
それは私が考えた言い訳とまるっきり同じで。
ねぇ、自惚れてもいい?
ねぇ、勘違いしてもいい?
珪くんも私と同じ気持ちでいてくれたんだって──
私は何も言わずに、ただ笑った。
それだけで、今の私の気持ちは十分伝わるような気がして。
はにかんだような彼の笑顔に。
私の意志は伝わったんだと理解する。
必ずしも、言葉が必要な訳じゃない。
今この瞬間の私達には。
互いに触れ合う掌から伝わる温もりだけで、十分に幸せだから。
愛してるの言葉も
ずっと一緒にいるという約束も
そんなものは要らないの
必要なのは、互いの温もりだけ─
《終》
